目次

A. アガロースゲル電気泳動

試薬
  • バッファー:5×TBEまたは50×TAE
  • 10×(または6×)ゲルローディングバッファー
    50%グリセロール(30%グリセロール)、0.25%BPB(Bromophenol blue)、0.25%XC(Xylene cyanol)
  • EtBr 溶液
    10mg/mlのストックエチジウムブロミド液を0.5μg/mlになるように希釈して用いる
    ※強力なmutagenなので注意して取り扱うこと。
  • 分子量マーカー(ΦX174/HaeIII)
    0.2-0.5μgをとり、10×ゲルローディングバッファーを0.5μl、TE(または滅菌ミリQ水)を加え全体を5μlにする。

操作

1. 2%のゲルを作成する

アガロースSを0.4gとアガロースXを0.4gビーカーにはかりとる。
40mlの0.5×TBE(または1×TAE)を加え、電子レンジを用いて溶解した後、60℃程度に冷やしEtBrを入れ(1.5μl)、ゲルキャストに流し込み作成する。電子レンジは突沸しないように強さを調整する。
正確な濃度のゲルを作成するには、溶解する前にビーカーごと重さを測定しておき、溶解した後に重さをはかり、蒸発した水分を加える。

2. サンプル5μlに10×ゲルローディングバッファーを0.5μl 加える。

3. 電気泳動槽に0.5×TBE(または1×TAE)を入れ、ゲルをバッファー内に沈める。
このゲルのウエルに2のサンプルを導入する。端のレーンには、分子量マーカー(ΦX174/Hae III)を入れる。

4. 電気泳動後、トランスイルミネーターの上で観察する。
今回はデンシトグラフを用いる。(デンシトグラフを扱う時は、ゲルを所定の位置においた後は、EtBrの汚染を防ぐためにゲルにさわった手袋を脱いで機械にさわること。)

5. 分子量マーカーからPCR産物の分子量を測定する。(デンシトグラフを用いて行うこともできる。)


B. ポリアクリルアミド電気泳動(参考)

試薬
  • 5 x TBE
  • 30% アクリルアミド保存液 (29:1)

を以下の分量で混合して5% アクリルアミド/TBEを作成する。(ゲル1枚あたり)

30% アクリルアミド液1 ml
5x TBE1.2 ml
滅菌ミリQ水3.8 ml
合計6 ml

  • 10% APS(10% 過硫酸アンモニウム溶液)
    100 mgの過硫酸アンモニウムを1mlの滅菌蒸留水にいれ溶解する。4℃または-20℃に保存する。
  • TEMED
  • 10 x ゲルローディングバッファー
  • 分子量マーカー(ΦX174/Hae III)
    0.2-0.5μgをとり、10Xゲルローディングバッファーを1μl、TE(または滅菌ミリQ水)を加え全体を10μlにする。

操作
  1. 次の要領でゲルを作る。
    5% アクリルアミド/TBE 6ml、10% APS 25μl、TEMED 2.5μlを混ぜ、ガラス板に流し込み、クシを入れて固める。1-2 時間くらい。
    (今回はミニプロティアンIIを用いる)
  2. ゲル板を電気泳動装置にセットする。0.5 ×TBEを装置に満たす。
  3. 5μl のサンプルに 0.5μl の 10 × ゲルローディングバッファーを混ぜる。
  4. サンプルをゲルのスロットに静かに流し込む。マーカー(ΦX174/Hae III)をスロットにいれる。
  5. 150Vで1時間電気泳動する。BPB が全体の 3/4 移動するまで泳動する。
  6. 染色液(蒸留水200mlにEtBr(10mg/ml )を10μl加える)にゲルをつけ、10 – 20 min 染色する。染色液は暗室に保存する。
  7. ゲルを水で洗うか、脱染色する。
  8. トランスイルミネーターの上にサランラップを敷き、その上にゲルをのせる。今回はデンシトグラフで観察する。
    ※デンシトグラフを扱う時は、ゲルを所定の位置においた後は、EtBrの汚染を防ぐためにゲルにさわった手袋を脱いで機械にさわること。
  9. ゲル撮影装置で写真を撮る。
  10. 分子量マーカーからPCR産物の分子量を測定する。(デンシトグラフを用いて行うこともできる。)